ゴムについて

ゴムについて

その1 ゴムについてAbout Rubber

その2 ゴムの製造方法についてMethod for manufacturing of rubber

ゴムってなに???

ゴムとは・・・ゴム弾性を有する、もしくは伸縮性に優れた高分子物質のこと・・・
と、いろいろな文献に記載されていますが、簡単に言うと伸びたり曲げたり出来るものと言う事ですね。

・・・これだけ!?
これがゴムなの?って思うかもしれませんがこんなんなんですよ。

あまりに漠然としてますのでゴム屋も困ってしまいますが、最初からこの程度の説明だとこのあと誰も読まなくなってしまいますので、もう少し補足しておきますと、、
ある程度の力を加えて押したり曲げたりしても、力を放すと元に戻ります。

これです!
最初にも述べましたが、これこそがゴムの最大の特徴。ゴム弾性です。
このような性質は樹脂・金属・セラミックスなどの他の材料には無い、ゴムのみの特徴と言えます。

(もちろん樹脂や金属だって弾性はありますが、ゴムのように弾性変形させると破断・割れが生じます。変形させても弾性力で元に戻る。とした説明の方が良いかもしれませんね。ただ、今ではゴムのように弾性変形させても元に戻る樹脂がありますので、ゴム弾性だけでゴムを説明するのは適切ではないかもしれません。ゴムと樹脂の違いはまたあとで説明します。)

ゴムの特徴

ここでは手っ取り早くゴムの長所と短所を説明しようと思います。そのほうが分かりやすいと思います。

長所
  • 弾性力がある
  • 柔らかい・伸びる
  • 絶縁・導電・半導電性がある

弾性力は「ゴムってなに???」で述べました通り曲げても元に戻る性質の事です。柔らかいは樹脂や金属と比較してと言う事です。
ゴムも材料の配合を変えることによって硬くすることが出来ます。伸びもゴムの特徴ですね。

一般にゴムは絶縁体と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。配合によって導電・半導電性を持たす事ができます。

短所
  • 経時変化を起こす
  • 切削加工がしにくい
  • 再利用(リサイクル)が難しい

経時変化(経年変化)とはいわゆる自然劣化です。ゴムは常に分子運動をしているため老化してしまうんです。ただ保管していても寿命は縮まっていますので、性能・機能が低下してしまいます。ですから長期保管が困難と言えます。(配合によって経時変化を遅くする事はできます。)

切削加工が困難です。長所で述べましたが柔らかいために金属のように簡単に加工する訳にはいきません。

金属のように熱して溶かして冷やして固める(熱可塑)・・・と言う事が出来ません。ゴムは熱によって化学反応して不溶不融性(熱硬化)となりますので元に戻すことが困難です。

金属と樹脂とゴムの製造方法の違い

パッと思いつくのは車のタイヤや輪ゴムですが・・・実は思いのほかゴム製品って多いんですよ。
日常に見るゴム製品をいくつか上げてみましょう。

日常家庭用品

輪ゴム・消しゴム・靴・指サック・マット・ゴム風船・ベルト・ボール・ゴム紐・テープ・ホース・手袋・哺乳瓶・吸盤・・・。
部品としてみると、テレビ・掃除機・冷蔵庫・扇風機・車・・・。

家庭用品から離れると
スポーツ・医療・自動車・鉄道・航空・建築・電子機器・通信などの様々な業種で使われています。

見えないところで主に部品として、と言うより部品の部品として使用されています。
ゴムの幅広い分かりやすく説明できるように勝手な例えを用いて説明いたします。

金属は水と同じ性質だと考えてください。
氷は熱が加わるにつれて水、蒸気に変わります。冷やすと水蒸気は水に戻りやがて氷になります。 金属も同じで熱を加えて液体状態(水)にして型に流し込み、冷やして製品(氷)を取り出します。 製品(氷)は熱を加えるとまた液体状態(水)になり、再度製作する事が出来ます。氷と水みたいですよね。

次にゴムを説明しますが、ゴムは・・・卵を想像してみてください。
卵を割ってフライパンの上に生卵を乗せます。火で焼いて目玉焼きが出来ます。ゴムもたぶん似ています。 ゴム材料(生卵)を型(フライパン)に入れ熱を加えて化学反応(焼き)させて製品(目玉焼き)を取り出します。 製品(目玉焼き)は冷やしてもゴム材料(生卵)には戻りません。熱を加えても同じです。

金属とゴムの違い、分かりますでしょうか。
加熱・冷却によって製品を製作する金属は熱可塑性、加熱して化学反応によって製品を製作するゴムは熱硬化性と分けられます。
それと樹脂は熱可塑性・熱硬化性、両方の製作方法がありますので、金属とゴムの中間と言えるのかなぁ。
(分かりやすくする為ホントに大まかに説明していますので、うのみにしないでください。)

どこに使われているの?

パッと思いつくのは車のタイヤや輪ゴムですが・・・実は思いのほかゴム製品って多いんですよ。 日常に見るゴム製品をいくつか上げてみましょう。

日常家庭用品では、
輪ゴム・消しゴム・靴・指サック・マット・ゴム風船・ベルト・ボール・ゴム紐・テープ・ホース・手袋・哺乳瓶・吸盤・・・。
部品としてみると、テレビ・掃除機・冷蔵庫・扇風機・車・・・。
家庭用品から離れると
スポーツ・医療・自動車・鉄道・航空・建築・電子機器・通信などの様々な業種で使われています。

見えないところで主に部品として、、と言うより部品の部品として使用されていますので、あまり気がつかない事が多いと思いますが、ゴムが幅広く使われていることが分かりますでしょうか。
今の生活には無くてはならないものなんですよ。
って、信じられません?想像してみてください。もしもゴムが無くなったら・・・
車は雨漏りして、、と言うか走れないし、松井はホームラン打てなくなっちゃいますよっ!

ゴムって地味ですけどホントは重要なんです。

ゴムの歴史

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コンプレッション成形とトランスファー成形

成形方法にはコンプレッション成形・トランスファー成形・インジェクション成形などがあります。
まずはコンプレッション成形について説明します。
適温にした金型にゴム材料を仕込んで金型を閉じます。圧力をかけて適切な架橋時間保持したあと取り出します。これで製品の出来上がりです。

架橋時間とはゴムの化学反応(架橋反応)を最適に行わせるために必要な時間です。
金型の温度と架橋時間はゴム材料の種類や仕込重量によって違いますが一般的には金型温度170℃で架橋時間10分です。
上の図は金型を1回の成形工程で1個製品が出来上がります。金型1個取りの場合です。製品数量を上げる場合や製品価格を下げる方法として金型に製品の掘り込みを増やして複数取りをする場合もあります。1回の成形工程で9個、16個などと製品が出来上がります。ただし、金型が大きくなり金型の切削工程が増えるため、金型費用は上がってしまいます。少量多品種向け。

金型にゴム材料を仕込んで圧力をかけて金型を閉じますので成形機と言うプレスが必要になります。この設備はあとで説明するインジェクション用の設備よりも安価です。

次にトランスファー成形について説明します。
コンプレッション成形と基本は同じです。適温にした金型にゴム材料を仕込みます。この時コンプレッション成形では製品形状を掘り込んだ部分に材料を仕込みましたが、トランスファー成形はポットと呼ばれる部分に仕込みます。そして圧力をかけて金型を閉じると同時に材料がポットから注入口を通って金型内へ流れます。その後は適切な架橋時間保持したあと取り出します。
コンプレッション成形と比べてまわりくどいように思えますが、製品の形状、金型の複数取りなどによって使い分けます。
金型が大きくなり切削工程が増えるため、コンプレッション成形と比べると金型費用はあがります。また、成形後はポット内に材料が残りますので無駄が多くなります。

コンプレッション成形とは金型の構造が違うだけなので同じ設備で製造する事が出来ます。

- まとめ -

コンプレッション成形は多品種少量向けで設備が安価。
トランスファー成形は材料の無駄、金型代が高価、製品形状によっては利点がある。
コンプレッションと同じ設備で成形可能。
どちらも圧縮成形で関東方面に製造メーカーが多い・・・みたいです。

インジェクション成形

インジェクション成形

適温にした金型に圧力をかけて閉じておき射出筒を金型に固定してから、金型内へゴム材料を流し込みます。適切な架橋時間保持したあと取り出します。

ゴム材料を流し込むと言うことでトランスファー成形と似てますが、インジェクション用の設備が必要です。
架橋時間はコンプレッション・トランスファーなどの圧縮成形にくらべて約3分の1以下で製造できますので、製品が安価で大量生産向きです。また、大形・肉厚製品の成形に向いています。

材料の流れの良し悪し(ムーニー粘度)が関係してくるため、扱える材料は圧縮成形よりも少ないです。
金型が大きくなるため金型費用が圧縮成形型とくらべて高価です。また、設備も高価です。

なぜか関西方面に製造メーカーが多い・・・みたいです。

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